2022年秋に、映画「紫」(2011年)を思う

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2019年9月30日 染司よしおか 5代目 吉岡幸雄先生が亡くなりました。このWEB「手鑑」も、先生に相談し「いつになったらはじめるんだ」と叱咤されながら立ち上げました。

手鑑とはカタカナでいうとハンドブックに相当します。私たちが映像作品としてロケしたなかには、ものづくりのシーンも多く収録されています。本編には編集しきれなかった映像ファイルを短編として再編集し公開することも「手鑑」のひとつになると思っています。先生が生前に話されていた、ものづくりの過去の記録(書物など)でも実際にどうするのかわからないことがあって、その空白を埋めるように調べ、研究し、再現する、と話されていたその再現を映像で記録できたら、次の世代に役に立つのではと考えています。正倉院に残された宝物のように「本物」の保管も大事です。しかし、どうやってつくりあげたのか、過去の書物(文字記録)だけではわからないことを、実際につくる(再現する)ところを映像で記録して(ゆくゆくはデータベースにして)おくことが、2000年代の手鑑だと思っています。

古き良き時代の文化を引き継ぎ、絶やさず残し、それを進化させて、現代に取り入れ生かしていくことが、2000年代のルネッサンスにつながると考えています。例えば、便利なものを科学で開発しようとする思考の前に、便利ではないけど美しいものは残していくとか、製造原価を下げ大量生産するという思考の前に、質の高いものは残していく、という発想を「前提」にすることが大事ではないかと思います。

先生の残した言葉や思いを次の世代に残してゆきたいと思います。

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